今市事件:不公正な裁判

検察の後出しじゃんけん、それを認める裁判所

東京高裁は、状況証拠が乏しいことに加え、勝又さんの自白の核心部分に信用性もないことが明らかになり、この矛盾を解消し有罪と認定するために、検察に起訴状記載の殺害日時と場所について訴因(審判の対象となる犯罪事実)の変更を促しました。

また、高裁が勝又さんの犯人性に固執するあまり、罪となるべき事実から「動機」もなくなりました。

刑事裁判にとって、何が罪となる事実なのかが審判の対象です。攻撃防御の対象を明確に特定することは被告人・弁護人の防御権弁護権を保障する上で大事な刑事裁判の原則です。

しかも、控訴審の事実調べの終盤になっての訴因の変更は「あと出しジャンケン」もいいとこで、とても公正な裁判とは言えません。

勝又さんのDNA・指紋など一切検出されず

高裁判決は、状況証拠を総合評価すれば勝俣さんの犯行は認定できるといいます。しかし、勝又さんの無罪方向の状況証拠は総合評価に入れずに切り捨てています。有罪のストーリーに合う証拠だけを集め、不都合な証拠を排除しては正しい結論を導き出すことはできません。高裁の状況証拠の判断は、最高裁判例にも反するものです。

勝又さんの「自白」では当初「強姦した」、その後、「被害者の陰部や胸を触った」「キスをしたり、自分の陰茎を握らせ、射精した」と供述しています。しかし、被害者にはわいせつされた痕跡はありません。「自白」の通りであれば、遺体の髪の毛の中から採取された粘着テープや遺体に付着しているはずの勝又さんの DNA( 精液、汗、唾液、皮膚片など)は検出されていません。また、高裁段階で開示された鑑定データからは、捜査関係者でもない第三者の DNA が存在することなどが明らかになっています。

ところが、高裁は検察官の 「DNA が汚染された可能性がある」という主張を鵜呑みにして、勝又さんの無罪を示す情報科学的な根拠もなく排斥しました。



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