【今市事件】最高裁は高裁判決を破棄し、勝又さんに無罪判決を!

「高裁の論理矛盾」自白は信用できないが、やったのは間違いない

一審の宇都宮地裁(裁判員裁判)は、「状況証拠のみからは勝又さんの犯人性を認定できないが」、「自白」は「犯人でなければ語ることができない具体性、迫真性がある」として、無期懲役の有罪判決を言い渡しました。

二審の東京高裁で、弁護団が提出した法医学者の鑑定書や実験によれば、被害者の遺体にはわずかな血液しか残っておらず、少なくとも1リットルの血液が流れたのに、現場にある被害者の血痕は数滴であったことがわかりました。弁護団の実験から地面に血がしみ込んだ可能性も否定されました。また、遺体に残された創傷が自白の殺害態様と矛盾することも明らかにされました。

高裁判決は弁護団の反証にもとづき、殺害日時、場所、殺害態様の供述部分は信用できないと一審判決を破棄しました。東京高裁は、検察の有罪ストーリーが破綻した以上、無罪判決を言い渡すべきでした。

ところが、自白と客観的事実との矛盾については「情状をよくするために虚構を作出した疑いは否定できない」とし、「一連の犯行を行った犯人であること自認している点ではしんようできる」として、それを裏付ける証拠も示さず判断しました。

高裁判決は、これまでの冤罪事件の教訓を踏まえて判例が積み上げてきた自白の判断方法に反します。

「裁判官の独断」どうにでも読める「手紙」が有罪の根拠

高裁判決は、状況証拠を総合評価すれば勝又さんの犯行を認定できるとしてしました。その中でも、別件逮捕を利用した身柄拘束中、勝又さんが本件殺人事件を大友検事に「自白」させられた数日後に、母親に宛てた手紙を有罪の決め手と判断しました。

その手紙には、「自分で引き起こした事件」「めいわくをかけてしまい、本当にごめんさない」などという内容が記載され、検察は検察は状況証拠の一つとして有罪を主張しました。これに対して、弁護側は別件逮捕された商標法違反事件とも読め、本件犯行を示すものではなく多義的に解釈できると反論しました。

一審判決は、「手紙の記載内容のみからでは『事件』が何を指すのかは、必ずしも明白とはいえない」「この手紙の存在のみでは、被告人の犯人性を直接的に基礎付ける事情とはなり得ない」と、多義的に解釈できると判断しています。高裁の裁判官の勝手な思い込みだけで、無期懲役とされてはたまりません。

無実が明らかとなった足利事件の菅家さんが、最初に家族に宛てた手紙も、家族に無実を信じてほしいのか、事件を起こした謝罪の意味なのか多義的に解釈できます。高裁判決は、足利事件や過去の冤罪事件の教訓が全く生かされていません。

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